はじめに
とにかくウツなOLの、人生を変える1ヶ月(はあちゅう)
ブロガーであり作家のはあちゅうさん(伊藤春香さん)の本を読みました♪
はあちゅうさんの書籍はこれまでに何冊も読んできていますが、この本は多くの書籍と違って「小説」です。
はあちゅうさんといえば、「半径5メートルの野望」などの自己啓発的な本などが印象的なので、小説はどんな感じなんだろう・・・!?とドキドキしながら購入しました。
「なんとなくウツ」が口癖のあなたへ。
この小説のストーリーは、毎日を鬱々と過ごすOLの奈緒が、ふと思い立って仮病で会社を休んだ日に「メンタルジム・ヒカリ」という名のジムに出会い、カウンセラーかつ人気モデルの中条ヒカリと対話を重ねる中で、毎日を前向きに過ごせるようになっていくまでのストーリーを描いています。
パッとしない毎日を送るOLが不思議な場所に出会って変わっていく、というストーリーは、私が大好きな本「未来脚本(夢野さくら)」と通ずるところがあると思いました。
物語は殆ど対話形式で進んでいくので、とても読みやすいです。
活字が苦手な人でもライトノベルのような感覚で読めるのではないかと思いました。
最初、Webメディアの編集長としてバリバリ働いているOLの奈緒が、あれだけ鬱々とした日々を過ごしていたにも関わらず、ヒカリとの対話でやけに素直に動いていくなあと思って(笑)、少し違和感があったのですが、素直な子なんだなあとキャラクターを理解してからはズンズン読み進められたような気がします。
「未来脚本」では、主人公を導いていくのがオネエな天使2人組というところで少しファンタジー要素が強いのですが、こちらではその役目を果たすのが、30代後半くらい?と思われる人気モデルの女性。
ヒカリの言葉は優しいけれど常に的を射ていて、アタリマエのこと私達の毎日に照らし合わせながら教えてくれます。
都会勤務のアラサーOLさんにオススメ
私は全編通して、すごく面白く読み進められたのですが、それは、主人公の奈緒が東京で働くバリキャリアラサー女性であり、自分自身と重なるところが多かったからだと思います。
外資系の企業に勤める同級生が、家賃25万の広い家に住んでいて羨ましい、といった感覚を理解できるかどうかが、この本が刺さるかどうかの境目でしょうか・・・。
※あくまで、羨ましさに共感できるかというよりも「理解できるか」というところがポイントです。
私も職場が常に都心で、前職の同僚が山手線沿い某駅近くの一等地に一人暮らしorカップルで住んで、家賃20万〜25万という話を聞いたことがあるので、その感覚はなるほどな〜としっくりきました(笑)。
元気の出る薬
こういった主人公・奈緒の境遇が少しでもしっくり来る人は、読み終わったあとにとてもスッキリした気持ちになれると思います。
奈緒は決して、特別な魔法で人生を変えていくのではありません。
少し手を伸ばせば届くような、何気ない日々の変化を促してくれる本なので、読み終わったあとに「ちょっと紅茶を入れてみようかな」「お風呂にゆっくり入ってみようかな」と自分を大切にしたい気持ちになります。
私も今日は美味しい紅茶を飲みながら、この本を読破したのでした。